眠り病
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獄寺がシャマルに包帯を巻いてもらっていると、リボーンが担架に寝かされ運ばれてきた。


「り、リボーンさん!?」


リボーンが視界に入り、思わず声を上げ立ち上がる獄寺。治療中の足の傷口が開き血が染み出る。

痛みのあまりに足の力が抜けその場にへたり込む。避けた皮膚が痛みを発していた。


「馬鹿。何やってんだお前は」

「お…れのことはいいから!リボーンさんを診に行け!!」


獄寺がそう怒鳴ると、シャマルは頭を掻いて獄寺の治療を近くにいた医療スタッフに指示し、リボーンの消えた部屋へと向かった。

獄寺は治療を済ませるとリボーンの容態を聞きに行った。

以前と同じく、外傷なし。争った形跡もなし。

通路に倒れていて、身を揺すっても起きなかったという。

面会を許された獄寺はリボーンの眠る病室に入る。

リボーンはあの日と同じように、ベッドの上で横になって眠っていた。

傷を負ってないと聞いても、ただ寝息を立てているように見えても、もう獄寺は安心出来ない。


そしてその日、リボーンは結局目を覚まさなかった。


リボーンが目を覚ましたのは、日付が変わって少ししてから。

起きたリボーンは自分の身に何が起きたのか分からず、首を傾げて。

そして、そのまま自室に戻って寝た。

当然、翌朝大騒ぎになった。

周りは何を考えているんだと怒鳴ったが怒られたリボーンといえば何を大袈裟なと言うだけだった。

二度目ということでリボーンは以前よりも詳しい検査を受ける羽目になった。リボーンは嫌がったが周りがそれをよしとしなかった。

時間を掛けて、リボーンの不機嫌を買ってまで行った精密検査だったが…結果は変わらず問題なし。異常なし。健康体。

ほれ見たことかと憤るリボーン。しかし二度倒れたことは事実。

運良く二度ともアジト内だったからよかったものの、これが任務中…敵地の真ん中や要人の暗殺の最中で倒れたらどうするのだという話になり、リボーンには強制的に休暇が与えられた。

更には、出歩くとき…特に外出するときは誰かと共に行動するようにと告げられた。

面倒だと嫌がるリボーン。そこまでする必要はないだろうと反論する。

そもそも誰がそんな面倒なことをするんだとリボーンは挑発気味に言う。そんな暇のある奴がどこにいる?オレの相手など誰がする?

威圧的に一歩踏み出して周りを見渡すリボーン。思わず誰もが怯み、口を噤む中―――


「じゃあ、オレが」


手を挙げ、志願する誰かが一人。