眠り病
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「だから言ったろ。お前らは心配しすぎなんだ」

「いえ、まだ安心出来ません。リボーンさんが二度目に倒れたのは数ヶ月経ってからだったじゃないですか。これからですよ」

「これからねえ…でもお前の傷そろそろ治るだろ。そうなってもオレの付き添いをするつもりか?仕事は?」

「それは…」


言葉に詰まる獄寺。リボーンの付き添いはしたいが、仕事もしなければならない。

何かいい案はないかと考えこむ獄寺。苦笑するリボーン。


「なんだ、そんなにサボりたいのか?」

「ち、違います!何言ってるんですか!!」

「ん?違うのか。じゃあまたどっか連れてってほしいのか。オレの奢りだからって調子に乗りやがって」

「それも違います!そもそも、リボーンさんがオレに払わせてくれないだけじゃないですか!!」

「ん?そうだったか?」


格下の代金ぐらいオレが支払うとリボーンは獄寺に財布を出させない。自分を心配し、時間を割いてくれてる礼とは言わない。

と、リボーンは懐から銃を取り出した。隣では獄寺もナイフを取り出している。

感じる気配に、現れる殺気に、当てられる視線に向けて銃弾を放とうとして―――



「―――リボーンさん!!」



獄寺の声に、前を見れば…何故か地面が目の前にあって。


「………っ」


体勢を立て直そうとするも、身体が思うように動かない。

動くのは…銃を持つ腕だけか。

リボーンは迷わず己の左腕を撃った。

痛みが花咲き薄く感覚が戻る。倒れそうになる身を一歩踏み出した足で支える。前を向き、敵を討った。


「リボーンさん!!」


リボーンに駆け寄る獄寺。リボーンは崩れるように膝を突く。

支えるようにリボーンを抱く。左腕から流れる血が獄寺にも付着する。

リボーンが獄寺を見上げる。その顔はいつも通りで、怪我を負った苦痛にも突如我が身に襲い掛かってきた異変にも怯んでいなかった。

それどころか世間話をするような口調で、


「困ったことになったな」


なんて、全然困ってない様子で軽く言って。

そしてそのままリボーンは気を失った。

獄寺は急いでボンゴレに連絡をした。

腕の負傷もあり、リボーンはボンゴレの息の掛かった近くの病院まで搬送された。

リボーンが起きたのは、それから三日後のことだった。