眠り病
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「お前、少し休んだらどうだ?」
「リボーンさん…いえ、オレは……」
「オレを心配してくれるのは嬉しいんだけどな、それでお前が倒れたらどうする」
「いえ…リボーンさんに何かあったら後悔してもしきれませんので…」
「お前な…身体を休めるのも仕事の内だと教えただろうが。もう忘れたのか?」
「…確かに教わりました。ですが……」
弱々しい笑みを作り、けれど頑なに首を横に振る獄寺。
「休めません」
「…獄寺」
「すみません。オレも…何度か休もうとしたんです。でも…無理でした。休もうとしても、不安で…かえって疲れるんです」
「…オレも落ちぶれたものだな」
「い、いえ、そういう意味では…」
「いや、いい。分かってる。いつぶっ倒れるか分からないこんな身体じゃな。襲われでもしたら一撃だ」
「………」
「でも、ま、そんなオレを守ろうとしてくれる奴は幸いにも他にもいる。だからお前は安心して寝ろ」
と言っても「では休みます」と言う獄寺ではない。他の人間が信頼出来ないのではない。そういう問題ではないのだ。
なのでリボーンは言葉を言い終えると同時獄寺に足払いを掛ける。転ぶ獄寺の首に手刀を一つ。
ベッドの上に力なく倒れる獄寺。リボーンは人を呼んで獄寺を休憩室へと運ばせた。
一人になり、リボーンは考える。
これからのこと、今後のこと。
突如途切れる記憶。起きれば過ぎ去っている時間。身に起きている原因は不明―――
周りは気を遣い、自分を守り、解決策を調べている。
だが、リボーンの勘が告げるは…
………。
リボーンはため息を吐く。
次に意識が途切れる日は、きっとそう遠くない。
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