おひるね
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久々の晴れの一日。

爆発音も子供の泣き声も聞こえない平和な午後。


―――いいね。素晴らしいね。


こんなに静かなのには訳があって。…獄寺くんが遊びに来てるんだけど、寝ちゃってて。

起こすのも忍びないし。だからオレは今、一人で宿題をせっせとやっていたりする。

…獄寺くんが起きたときに全部出来ていたら。獄寺くん驚くかなぁ…

凄いですね10代目って褒めてくれるかな…うわーっオレもう頑張るよ!!

そんな脳内妄想を夢見て。ちょっと不純な動機でオレが勉強を頑張ってると。


「ぴぎゃー!!」


何だか聞き覚えのある牛の鳴き声が響いてきた。

…獄寺くんが寝ている、居間から。

―――あの牛野郎!獄寺くんが起きたらどうしてくれるんだ!!

オレは急いで、居間まで駆けて。

するとそこには幸いなことにまだ寝息を立てている獄寺くんとその近くで今にも癇癪を起こしそうなランボ。


(わー!ランボストップー!!獄寺くんが起きる!!)


そうしたらオレの「獄寺くんが起きるまで寝顔をじっくりゆっくり拝見しよう計画」が!!


「ぴゃ…!?ゴ、ク…ぐっ」


獄寺くんの名を出したからかランボは何とか堪えてくれた。良かった。


「………ふぅ。で、どうしたのさ。何かあったの?」

「えぅ…ランボさんがいつものようにゴクデラと寝てたら…」

「ちょっと待て」


なんだいつものようにて。え?獄寺くんと寝て?ん?



オレだってまだした事ないのに?



しかしランボはオレの心の鬼に気付かないのか言葉を続ける。


「リボーンが『そこはオレの場所だ』って…言って、えぐっ」


…なるほど。つまりリボーンにいつものようにぼこられたわけか。じゃなくて。

リボーン!そこはオレの場所て!違うだろ!?オレの場所だろ!?


「それもちげぇよ」


と、聞こえてくるは事の発端らしいリボーンの声。追ってみてみるとリボーンは獄寺くんに添い寝してもらっているような形で横になっていた。

ていうか羨ましいなあいつ!一回で良いから代わってくれよ!!


「お前はどれだけいっぱいいっぱいなんだよ」

「お前のせいだろ!!」


と…しまった。思わず大声を出してしまった。しかし後悔してもとき既に遅く。


「………ん」


獄寺くんが目を覚ました。