おひるね
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「あーあ。ツナが疲れて寝ていた獄寺を起こしたー」

「くぴゃ。ランボさんには静かにしろって言ったのに自分は良いんだー」

「この…!こんな時だけ便乗するなよランボ!相手はリボーンだぞ!敵だぞ!」


子供二人の挑発に思わず乗ってしまって更に大声を出してしまう。獄寺くんはゆっくりと身を起こす。


「ん…ふゎ―――…あれ……オレ、寝てました…?」

「あ、起こしちゃってごめんね獄寺くん」

「いえ…」


未だ眠そうに目蓋をこする獄寺くんにランボが突撃する。


「ゴクデラー!ランボさんと遊べー!!」

「あー…あとでな…ねむ……」

「ってそういえば獄寺くん!ランボがいつも獄寺くんと寝てるとか言ってたんだけどそれ本当!?」

「え…?―――あー…まぁそうかもですね…」


飛び込んで引っ付くランボに特に気にもせず獄寺くんはあっさりとそう答える。


「最初は追っ払ってたんですけどね…いつまで経っても懲りないからもう放っておいてます」


あー…そうなの。へぇ。ランボを追っ払うのに飽きたから……


―――だからって添い寝を許すのはどうかだよ獄寺くん…!


「ショックだ…なんてことだ。オレが知らない間に獄寺くんとランボの仲がそれだけ進んでいただなんて…!」

「別に進んではねぇだろ」


言って。リボーンは獄寺くんの頭によじ登っていたランボを掴んで投げ捨てた。オレは飛んでいくランボを何となしに見ながら。


「…そういえばリボーンともよく寝ているみたいだけど。これはどういうこと?」

「リボーンさんのマイブームだそうです」


どんなブームだ。


「いや、中々良いぞ獄寺は。癖になる」

「起きて目の直ぐ前にリボーンさんが寝ていたときは驚きました」


驚いただけであっという間にその事態を受け入れたキミにも驚きだよ。


「…てか良いなランボもリボーンも。オレも獄寺くんと一緒に寝たいよ」

「え?」

「あ…」


しまった。思わず声に出してしまった。


「ああ、ツナもいよいよそんな道に…」

「悪いか!」


否定できない辺り悲しかったり空しかったりするけどもうその辺の気持ちは無視しよう。オレは改まって獄寺くんと向き合って―――


「―――えと。獄寺くん。オレも獄寺くんと一緒に寝たいなー…なんて」

「…10代目は恐れ多いから駄目です」


ってまさかの拒否出たー!!!


「酷!獄寺くん恐れ多いってなんだよ!それを言うならリボーンだって恐れ多いだろ!?」

「リボーンさんの行動にオレは逆らえないから良いんです」

「えー!?ちょ、なんだよそれー!リボーンずるい!!」

「ま、オレ最強だし?」

「その言い方ムカつくー!!」

「まぁまぁ二人とも落ち着いて下さい」


―――こうして爆発音も子供の泣き声も聞こえない平和な一日はいつもの騒がしい日常へと戻っていって。

このあと獄寺くんに必死に拝み通して今晩の獄寺くんとの添い寝権をゲットしたりして。

ただ何故かリボーンも一緒だということに不満も覚えたけど今日のところは許すよ。初めての獄寺くんとの一緒のベッドで舞い上がってたから。

まぁそんな嬉しいことがあったために明日の朝まで正直ランボの存在とか忘れていたけど。どうか許して頂きたい。


―――え?駄目?


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まあまあそんな、堅いこと言わさらず。