お見合い
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「獄寺!!」

「はい………って、リボーンさん!?」


聞きなれた声に振り返れば、獄寺はいつもとまるで違う格好をしているリボーンに驚いた。


「どうなされたんですか、その格好は…」

「似合わないか?」

「いえ…その……」


ごにょごにょと獄寺は言葉を濁す。

リボーンは純白のドレス姿だった。ひらひら。ふりふり。肩は出ていて、ストールを羽織っている。


「今度のお見合いパーティのドレスだ」

「ああ…」


言われて獄寺はそういえばそんなものもあったなと思い出す。今の今まで忘れていた。


「ビアンキが仕立ててくれたんだ。どうだ?似合うか?」

「……ええ、まぁ…」


いつもの黒のスーツとは対照的な白ドレス。新鮮味があるのを差し引いても素直に似合っていた。


「似合うか!そうか!!」


こんな些細なこと。似合いますの言葉だけでこんなにもリボーンは喜ぶ。

だが、この衣装は…


………。


多少、露出しすぎではなかろうか。

肩とか出てるし。


「どうかしたか?」

「い、いいえ…」


誤魔化すように目線を背け、何か話題はないかと探す。


「お見合いパーティまであと少しですね」

「ああ、そうだな」


リボーンは事も無げに答える。

…リボーンは、お見合いパーティをなんとも思ってないのだろうか。

嫌ではないのだろうか。


「ところでだ、獄寺」

「はい?」


思考の海に沈みかけていると、リボーンに声を掛けられる。


「お見合いって、なんだ?」

「………」


純粋無垢な目で見つめられながら問い掛けられ、獄寺は思った。

やはりリボーンさんにお見合いはまだ早いのではないかと。