お見合い
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そんな獄寺の思いも虚しくお見合いパーティ当日。
獄寺はリボーンの護衛としてリボーンから少し離れたところに待機していた。階上からリボーンの様子を伺う。
リボーンはあの白いドレスを着て会場の真ん中で男たちと談笑している。
結局リボーンはお見合いの意味を知らず。ただ単に会場に来た者と話をするだけの場所と捉えているようだった。
「………」
今。リボーンが笑った。
それが獄寺には面白くない。
と、誰かがリボーンと握手した。
獄寺の額に青筋が出来る。
と、誰かがリボーンの方に腕を回した。
獄寺の身体が震える。
と、誰かがリボーンの手の甲にキスを―――
「―――――っ」
獄寺は自身の血管が切れた音が聞こえた。
なんだ。
なんだ、なんだというのだ。
客人は少々、リボーンに対して馴れ馴れしすぎるのではなかろうか。
リボーンもリボーンだ。何故にそんなに受け入れるのか。
そんな思いが獄寺の中で渦巻く。
気付けば、リボーンたちは移動し獄寺の真下に来ていた。談笑が聞こえる。
と、
「―――失礼」
誰かが飲み物をこぼした。
それだけならまだしも、飲み物のこぼれた先にはリボーンがいた。
リボーンの胸元に飲み物が付着する。
白の、薄いドレスが透け―――
と、一部始終を見ていた獄寺が上から降ってきた。
「獄寺?」
リボーンの問い掛けには答えず、獄寺は黙って上着をリボーンに羽織らせる。
「戻りましょうリボーンさん。ここにあなたに相応しい相手はいない」
「…オレに相応しい相手?いるぞ」
「え?」
リボーンは獄寺に抱きついて、
「ここに」
と、笑顔で一言呟いた。
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ああもう、あなたって人は―――
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