鬼ごっこ
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…どれほど、走り回ったのだろうか。もう足が棒のようになっていた。

走っていた足を止めると、どっと疲れが押し寄せてきて。思わずそこにへたりこんでしまう。

…そこに、ぬっと現れた黒い影。


「………?」


見上げていたのは、何故か微笑んでいる―――雲雀。


「「……………」」


とっさにオレは倒れて。そのすぐあとに、雲雀の腕が通過した。


「…やっぱり、お前も一枚かんでたか……」

「まぁね。キミを一日かけて僕に骨抜きにしちゃおうと思って」


なに不吉な事ほざいてんだ。


「…でも。もうキミは逃げ出れないよね。そんな倒れている状態で、僕から逃げられる訳ないし」


く…っ確かにその通りだ。どうする、オレ…

あわや雲雀の腕がオレを捕まえる―――と思ったとき、雲雀の腕が急に跳ね上がった。

その腕に巻きついているのは…鞭。


「―――よぉスモーキン。危ない所だったなぁ」

「跳ね馬…っ」

「………誰?僕の邪魔するなんて、いい度胸してるじゃない」

「そう言うなよ。オレだってスモーキン狙ってんだから」

「……だったら、僕の腕を捕らえるんじゃなくて。彼を巻きつければよかったんじゃない?」


………。


「……………あ」


アホ―――!!

しかし、助かった。オレはなるほどと納得しているディーノと鞭が腕に巻きついている雲雀を置いて、走り去った。