落物語
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「行かれますか」

「ああ」


任務の話だ。少し時間が余ってるからと、今まで獄寺と雑談を交わしていたのだが…時間が来たらしい。


「呪いが解けたというのに、大変ですね」

「金がないと生きていけないからな」


間違いなく溜め込んでる…というか使い切れないだけの金があるでしょう。いや、武器とか買い込んでるっぽいし実は浪費家で本当に金がないのか?と獄寺は考えこむ。


「この身体にも慣れないといけないし」

「ですねえ」


長年掛かっていた呪いが解かれ、その恩恵もなくなりつつある。

元々の実力も相当なものなのだがそれも今の姿では十分に力を発揮出来ない。無論それでも強いのだが。


「じゃあな」

「ええ。お気を付けて」


短い別れの言葉を告げ、リボーンを見送る獄寺。

歩く途中、ふとリボーンが振り向いた。


「獄寺」

「はい?」

「帰ってきたら、指導してやるよ」

「え?」


聞き返してみれば、リボーンは笑う。


「早く強くなりたいんだろ?」

「え、ええ…」

「今日付き合ってくれた礼だ。オレが見てやる。そうしたら…まあ、3年もすれば見違えるだろうよ」

「…ありがとうございます」


その言葉を聞いて、またリボーンは歩き出す。言うこともなくなって、今度は振り返ることもなくその姿を消した。