落物語
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その場に残った獄寺は人知れずため息を吐く。

3年。先程の30年は冗談にしてもやはりそれぐらいは掛かるか。

リボーンのあの口振りからして、もしかして3年ずっと見てくれるのだろうか。

ずっとはないとしても、ある程度は見てくれるだろう。

それはそれでとても魅力的な日々だが、獄寺が思うはその先のことだ。

…もし、3年リボーンの修行をこなしきることが出来たなら。


「その時は…あなたの隣で、共に任務を受けることも出来るんですかね…」


今はまだ笑えるほど弱いけど。

今は同じ戦場に立っても足手纏いにしかならないけど。

だけどいつか、いつの日か。

その日を夢見て、その日を目指そうと、獄寺はリボーンの消えた道の先を見つめる。


…けれど、悲しいかな。

その夢は叶わない。

その夢が叶う日は来ない。



何故ならリボーンは、帰ってこないから。

任務の途中で、死亡するから。



しかしそのことを知る者は誰もいない。

リボーンも、獄寺も、また会えると信じて疑ってない。

だから二人はここで別れ、

果たされぬ約束を胸に刻む。


これは、いわば、たったそれだけの物語。


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未来を知っている程度では、誰にも何も変えられない。