親子
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「それじゃあ、行ってきます!!」

「いってらっしゃいませ10代目。車に気をつけてくださいね」


そう言って、オレは10代目を笑顔で見送る。

…けれど……10代目の姿が見えなくなるとすぐに憂い顔になってしまった。

…10代目…オレとリボーンさんの、子供…


けど、その正体は…ボンゴレファミリー時期10代目沢田綱吉さん。


10年前のあの日…リボーンさんは9代目のところへと赴いていた。

そこで、生まれたばかりの10代目の教育係を任命されたらしい。

…本当は前々からその話があって、どうするかと迷っていたときに…オレのあの一言があって決意したのだと。

綱吉さんは未来のボンゴレを担う大切で大事な方。

だけど、もうオレにとってはそれだけじゃない。

本当に…10代目はオレの子供だ。それぐらい、10代目は大事な人だ。

だけど…

そろそろ、10代目は真実を知らなければならない。

10代目であること。

オレたちの…本当の子供では、ないこと。

そのときの10代目の心情を思うと、オレは―――…


ピン、ポーン♪


あ。誰か来た。


「はーい」


オレはドアを開けた。