親子
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「おはようございます」
「骸?おはよう」
来客は、果物販売店店員の骸だった。
「何か用か?」
「いえ、実は今日はこのパイナップルがお安くなっているので―――お一つどうかと」
「パイナップル?」
パイナップルかー…今日の晩御飯のデザートにどうだろうか。でも今日のデザートは林檎のうさぎってもう決めてるんだよな。
「いや、悪いけど要らない」
「クフフ、まぁそう言わず」
と、骸はドアの中に足を踏み入れてきた。
骸の手がオレの肩に触れる。
「おい、お前」
リボーンさんの声が聞こえた。
骸の顔が強張る。
「オレの獄寺に………何やってんだ?」
「い、いえ、その…クフフフフ」
骸は笑いながら去っていった。あとパイナップル置いていった。金払ってないけど、食べていいのだろうか?
「まったく、油断も隙もないな」
「お帰りなさいリボーンさん。何か忘れ物ですか?」
「いいや。お前の様子を見に来ただけだ。誰かに襲われてないかと思ってな」
「もう、嫌ですよリボーンさんってば心配性なんですから。骸と話していただけじゃないですか」
「あれから10秒も経ってたらどうなってたか知らねーけどな」
「え?」
「なんでもない。とりあえずだ獄寺」
「はい」
「家人の許可も得ずに家の中に入ってこようとする奴は強盗だと思え。問答無用で大声を上げて助けを求めるんだぞ」
「はい分かりました」
「良し」
と言って、リボーンさんはオレの頭を撫でてくれました。
リボーンさんに褒めてもらえて、オレの顔は赤くなりました。
「じゃあ、オレは仕事に戻るからな」
「はい!行ってらっしゃいませリボーンさん!!」
オレはリボーンさんを笑顔で見送った。
ああ、リボーンさん…
いつもながらなんて素敵なのでしょう。とてつもなくクールで格好良いです!!
そんなリボーンさんの妻でいられるなんて…ああ、オレは三国一の幸せ者です!!!
オレはとっても上機嫌になって、そうだと手をぽんと打った。
そうだ、今日の晩御飯はリボーンさんの大好物にしよう、そうしよう。そうとなれば、いけない冷蔵庫の中身だけでは足りないじゃないか!!
オレは財布を握り締め、エコバックを持って買い物に出掛けた。
待っててください、リボーンさん!!
今日の晩御飯はとっても豪華です!!
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