親子
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「………」

「…あの、母さんどうしたの…?」

「10代目…いいえ、なんでもありません……」

「そういう風には見えないんだけどな…」

「………」


10代目にいつ真相を告げるべきか、オレは迷っていた。

早ければ早いほうが傷はきっと浅い。けれどどちらにしろオレは10代目を騙していたのだからきっと10代目に嫌われてしまうだろう。

ああ、オレは一体どうすれば良いんだ!!


「…獄寺。どうかしたのか?」

「リボーンさん…いいえ、なんでもありません……」

「じゃあツナ。お前が獄寺に何かしたのか?」

「してないよ!!」

「ああ、その、違うんですリボーンさん!!」


オレは目でリボーンさんに訴えた。10代目が10代目であると、いつ告げるべきか。


「ああ、なんだそんなことか」

「そんなことって…」

「心配ない。なんなら、今言え」

「今ですか!?」


そんないきなりと申しますか、オレにだって心の準備が必要だと申しますか!!


「…?何の話?」

「…10代目…」


……そうだ、言うなら早い方が良い。10代目の傷を浅くするのが最優先だ。オレが10代目に嫌われても、それは…仕方のないことなんだ。


「…10代目…大切な……お話があります」

「え…?」

「実は、10代目は………オレとリボーンさんの子供では……ないんです…!!」

「………!!」


10代目の目が見開く。

ああ、そりゃそうだ。ほんの数瞬前まで実の両親だと信じて疑ってなかったのに急に違うだなんて言われて…!!けれど事実は事実。オレは10代目に本当のことを告げなければならない…!!


「10代目は…時期ボンゴレファミリーを継ぐ方なんです。今まで黙っていて本当にすいませんでした…」

「いや、あの」

「でもオレは、オレは10代目のこと…恐れ多いのですが本当に自分の子供のように思って今まで接してきました!!それだけは…それだけは本当なんです10代目!!!」


ひしっとオレは思わず10代目に抱きついていた。そして…10代目も抱き返してくれた。

ああ、今までずっと黙っていたのに、騙していたのに…それでも10代目はオレを許してくださるんだ…なんて寛大なお方。流石はボンゴレを統べる者です10代目!!

オレの感激の涙は、暫く止まらなかった。