亡き右腕
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「…なんてこと、してますか。リボーンさん。…あれじゃ、みんなに…更に、誤解、されます…」

「あのままだとお前が発狂しそうだったからな。仕方ないだろ」


発狂。ぞっとしない話だ。確かにそんな感じはしたが。


「とにかくそこに座れ。まずは手当てしないとな。戻るのはそれからだ」

「…はい」


獄寺の傷口を見て。リボーンは珍しく顔をしかめる。傷の深い脇腹から応急手当をしていく。


「ったく。無茶しやがって…」


手当ての最中。リボーンは獄寺に事情を聴く。何があった。


「…あいつが…抗争に混じって、雲雀を撃とうとしていて。気付いたら、オレ……」

「―――そうか」

「オレ、撃ちました」


獄寺はまるで独白のように。まるで懺悔のように告白する。


「腕が勝手に動いて。勝手に標準を合わせて―――撃ちました」


止まらない。獄寺の言葉は止まらない。


「あいつは、オレがファミリーにいたときから既にボンゴレにいて、オレは沢山沢山世話になって…!」

「獄寺」


リボーンが短く言って獄寺を止めようとする。けれど止まらない。止まってはくれない。


「あいつには…あいつらには!本当に世話になりました!オレに沢山のことを教えてくれました、オレを可愛がってくれました!なのにオレは撃ちました!!!」

「獄寺。おい、獄寺!」

「オレは…オレは。つまりそういうことなんです。オレは…―――相手が裏切り者なのなら、どんなに親しい奴でも殺せる奴なんだって」

「…獄寺。お前、少し休め」

「リボーン、さん…」

「―――今は何も考えるな。黙って、寝てろ」

「………は、ぃ」


呟いて。獄寺はずるりとその場に雪崩落ちる。リボーンは獄寺を抱き支えて、ため息一つ。


「だからオレに任せておけと―――何もするなと言ったのに」

獄寺はマフィアとしてやっていけるのか不安になるほどメンタルが弱いから。だから遠ざけようとしていたのに。


「結局裏目に出たか…」


オレもまだまだだなと、リボーンはもう一度ため息を吐いた。