亡き右腕
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雲雀は戻ってきたあとすぐにツナの執務室へ来てくれた。
疲れているだろうにそれでもこうして赴いてくれたことに感謝しながら、けれどツナは何と言えばいいのか迷っているようで。
だからか雲雀は口早に言葉を紡ぐ。不機嫌そうに。
「隼人が彼を殺したのは本当。そのあと逃げたのも本当。見間違いなんかじゃないから。彼が殺したあいつの一番近くにいたの僕だしね」
あっさりとそう言い放つ雲雀。けれどそれに納得出来ないのもまた心情。しかし。
「信じる信じないは勝手。僕は僕がこの目で見たことを言うだけだから」
ぴしゃりとそう言い放って。あとは知らないとばかりに苛立ちを隠そうともせずに黙る雲雀。
彼とて信じたくはないのだろう。
あの彼が。あの仲間を愛する獄寺が。裏切ったという事実を。
けれど現実というものは残酷なものなのだ。
…特に、この世界においては。
―――――いきなり、銃声が響いた。
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