本物への道
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通路を歩いていくと、向こう側から姉貴が現れた。
「あら。隼人じゃない」
「姉貴か」
軽く会釈を返す。いつもと変わらず。いつもと同じように。姉貴は何故か嬉しそうだ。
「もうツナのところには行ったの?」
「当たり前じゃねぇか。……って、そういえば姉貴、こんなところで油売ってていいのか?」
「え?」
「リボーンさんが怪我したって話だ。聞いてないか?…それでさっきリボーンさんの補助をするようにって10代目に頼まれたんだけど……」
もしかして姉貴知らなかったのか?むしろこのこと極秘だったらどうしよう…
とか一瞬思ったが、
「なるほど、それはいいアイディアね」
姉貴は笑顔だった。
…?
姉貴…リボーンさんのこと、好きなんだよな?
「それじゃあ早く行きなさいな。リボーンに何かされたら隠さず私に言うのよ?」
と言うと姉貴は颯爽とオレを通り過ぎていった。
…って、何かってなんだよ。オレがリボーンさんに何かなんてされるはずがないだろうが。
オレはあの人に嫌われてるんだから。
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