本物への道
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なんだこれ。

なんだこれなんだこれ。

なにがどうなってこんなことになっていてオレはいつからこんな身体で他のみんなはリボーンさんはこのことを知っていて?


「おい、獄寺」


なんでオレはこんなことに一体いつからこんなこと誰が一体こんなことを?


「獄寺!」

「リボーンさん…」


リボーンさんに叱咤されてオレは正気に返る。…といってもこの表記はおかしいだろうか?機械が正気に返るなどと。

けれど本当にいつから?昔はこうではなかったはずだ。ちゃんと皮膚の内側には肉が詰まっていて骨があったはずだ。あれ?その記録は本当に正しいものか?


「オレ…どうして…一体……?」


視界が霞む。目からあふれているこの液体はなんだろう。

頭が熱い。オーバーヒートしているのは果たして脳かそれとも無機物の詰め合わせか。


「リボーン…さん」


オレの力が抜ける。リボーンさんに被さるように倒れる。

リボーンさんはオレを抱きとめて携帯を取り出す。連絡した先は…


「ああ、ツナか。獄寺が壊れたぞ」


リボーンさんの口から淡々と言い放たれた「壊れた」の単語。

…ああ、やっぱりオレは人間ではないのだろうか。

…そうなのでしょうね。だってこんな身体なのですから。それにあまり気に掛けていなかったけどどうしてオレは熱感知なんてものが出来たのだろう。それはオレが人間じゃないから。


「腕が割れて、自分の身体の内部見たらパニックを引き起こした。どうにかしろ」


ああ、ごめんなさいリボーンさん。

オレはあなたの補助なのに。オレはあなたに迷惑ばかりかけて。

話が終わったのかリボーンさんは携帯を畳んでいた。そしてオレを見る。


「リボーンさん…」


これ、一体どういうことなんですか?


「眠ってしまえ」


オレの問い掛けに返ってきたのは、問いとは関係のないもので。

だけどそう言われると同時に、オレの意識は途切れていって。

最後に見たリボーンさんの顔が辛そうに歪んでいたのは、きっとオレの目がいかれているに違いない。と思った。