Roman - 呪われし者たち -
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「何がしたくてこんな茶番を組んだんだ?」
「なんのことだい?僕もこんな展開になってびっくり」
「白々しい」
マーモンは昔から皆より一歩身を引いた位置にいた。他のアルコバレーノを毛嫌いしていた節さえあった。
その彼が、まさか皆に協力を求めるなどと。何か裏があるだろうとは思っていたけどまさか同士討ちとは。
「そんなくだらない詮索よりも、早く逃げた方がいいんじゃない?」
「なに?」
含み笑いをしながら前方を見るマーモンにつられて見てみれば…怒りで我をなくした様子のラルがこちらを見ていた。
スカルの姿はない。逃げたか…吹っ飛ばされたか。まぁ後者だろうが。
「じゃあね。面白い茶番だった」
そんな言葉を残して、マーモンは姿を消す。
やっぱり茶番じゃないかと悪態を吐く余裕はない。目の前の殺気が間違いなく自分に向けられている。ラルは今我を忘れ自分が見えてない。
「おい…クソ、マジか…」
リボーンは思わず懐に手を伸ばし―――
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