Roman - 呪われし者たち -
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「………リボーンさん…」


遠い地で、遠くの空を見上げる獄寺。

あの夜。電話があってからリボーンは不審に思いながらも感じるものはあったようで「出てくる」と素っ気無く言ってボンゴレを出て行った。


けれど…そのまま何の音沙汰もなく。夜は空け日は昇り。そして沈もうとしている。

いつ戻るかは聞いてない。どこに行くとも。よって獄寺に出来ることといえば待つことだけだ。受身は性に合わないというのに。


…朝まで待って、それでも何の連絡も入らなかったらこちらから電話を掛けてみようか?

多分出ないだろうけど。でもそれでも。


―――――と、


「…っい…ッ!?」


急に。胸の奥を中心に。まるで炎に焼かれたかのような激痛が。

獄寺は思わず体勢を崩し、壁に手を付く。

痛みは最初こそ酷かったもののやがて引いていった。


…けれど決して、その痛みは消えはしなかった。