Roman - 呪われし者たち -
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意識が浮上したのは、胸元で震える振動に揺れ起こされてだった。
それは携帯電話で。思わず取って耳に当てたのは単に条件反射だった。
『リボーンさん!?』
って、お前かよ。
思わず毒付いた言葉は声にはならなかった。
やれやれとため息を吐きつつ…リボーンは言葉を捜す。
「まったくお前は…いつもタイミングの良い」
『はい?』
「なんでもない。お前、今動けるか?」
『え…っと……えぇ、大丈夫ですけど』
どことなくあまり大丈夫ではなさそうだったがリボーンは無視した。こちとら死活問題なんだ。文句あるか。
「じゃあ今から場所言うから、オレを回収しに来い」
『は、はい…!って、回収!?リボーンさんどうなされたんですか!?』
「しくじった。動けん。以上」
リボーンはその後今自分のいる場所を告げて切った。そうすると辺りが急に静かになる。音といえば自分の微かな息遣いぐらいなものだ。
そういえばとリボーンは自身の胸元に手をやり…そこにあるべきものがないことに気付いて。
顔をしかめ、忌々しそうに舌打ちをして…また意識を失った。
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ひとつ崩れれば急速に進む。呪いも、物語も。
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