Roman - 緋色の約束 -
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「―――成功だ」


彼は、生き抜きました。

一体何をどうされたのか…姿形が変わってました。何故か赤ん坊の姿です。

…これで帰れるのだろうか。あの子たちの所に。

そう思うと同時に気配がしました。振り向くと男がいました。あの、リボーンを気に入ったと言いここまで連れてきた男でした。


「さぁ、実験はこれからだ」


そう言われてから―――彼の記憶は曖昧です。


覚えているのは血の赤と。

銃撃の衝撃と。



人の悲鳴―――



彼は戦場の中へと落とされました。

通常ならば、そこで死んでしまうでしょう。

何故なら彼は今の今まで、戦場を渡る経験もなければ銃を握ったことすらなかったのだから。


だけど。


彼の身体は勝手に動き、幾度も訓練を重ねたような人間たちの攻撃をかわし。

指が勝手に、相手から奪い取った武器を構えて引き金を―――


止めろ。


そう、彼は命令した。命じた。自分の身体に。

なのに。


世界が破裂して、赤い花が飛び散った。


それから彼は動いた。

動き続けた。

他に動くものがなくなるまで。


そして―――…