Roman - 緋色の約束 -
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それから…何をどうされたのか。
あれから何度も戦場へと放り出され、そして生き延びてきた。
あれから何度も身体をいじられ、その度に力が増えた。
やがて彼らを襲い続けていた激痛を防ぐアイテムも開発された。それは何をふざけてか七色のおしゃぶり。
「その姿には、それがお似合いだろ?」
とんだ言い草だった。効果が劇的でなければ即行で捨てていただろう。
そして彼らには名前が付けられた。生き残りの七人。七色のおしゃぶり。それを示す虹の意味。…アルコバレーノ。
「虹の赤ん坊なんて、メルヘンたっぷりだろ?」
完全にふざけている。こんなに血塗れたメルヘンなど他に見たことない。
それからも、実験の日々は終わらなかった。
だけど、長くは続かなかった。
非合法な方法で人を集め、非常な人体実験を繰り返し…巨大な力を付け始めていると噂が立ち。他のマフィアから制裁が下って。
執行したのは最近出来たファミリーだった。歴史は浅いものの、見所があると他のファミリーに言われているマフィア。
その名を、ボンゴレファミリーといった。
アルコバレーノはボンゴレに保護された。
そしてアルコバレーノの一人は門外顧問メンバーに。一人はヴァリアーという暗殺組織に。一人は科学班へ。そして…
彼は、ボンゴレのお抱えヒットマンとなった。
++++++++++
彼は未だに約束を忘れてはいない。
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