Roman - 教え子の面影 -
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アルコバレーノは呪われた存在だといわれている。

違いない。とリボーンは思う。

アルコバレーノの呪い。それは自身を苛む苦痛ではなく。


想い人を、不幸にさせてしまうというもの。


だから、とリボーンは獄寺から距離を置く。

激痛を抑えていたおしゃぶりがない今、歩くだけでも辛かった。

それでも歩く。少しずつでも。


…恋人と距離を置いていく。


獄寺は自分は死なないと言った。獄寺は自分を想って痛みを感じるのは嬉しいとも言ってくれた。

その気持ちは、リボーンとて嬉しい。それも正直な気持ちだ。


だけど。


「…好きな奴が、自分のせいで苦しむなんて…やっぱり嫌だぞ」


リボーンは倒れこむように、空き部屋へと入った。