Roman - 歓びと哀しみの追憶 -
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―――それは、ボンゴレに所属してから少ししてからだった。


新人の教育現場を通り掛かった。

正直に言おう。全然出来てなかった。

罵声、罵倒。震え上がらせるだけ怖がらせ、ろくな指導になってなかった。


見てられなかった。


無理な成果を急激に求めても、そんなものは所詮付け焼刃にしか過ぎない。

早熟を求めれば求めるほど、質は落ちるに決まってる。

一人ひとりに充分な指導を。


それが教師の役割だ。


待て。


…一体、オレは何を口走ったのだろうか?


オレがやる。


…一体。オレは何様のつもりだったのだろうか。


今更、教師の真似事などと。

それも人を殺すための、指導などと。


それでも"生徒"に慕われて…覚えた感情はなんだっただろうか。

人を殺しにいった生徒が殺されて…込み上げてきた思いはなんだっただろうか。


自分も同じく戦場に出て…目の前で教え子を殺されたとき、オレは一体どうしたか―――



「―――化け物め!!!」