Roman - 恋人からの返答 -
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そう言って、リボーンさんは動かなくなりました。

閉じられた瞳はもう開くことはないでしょう。

消えゆく体温が戻ることも、もうないでしょう。

この小さな身体が動き出すことも、きっともうありません。


「…オレは、もうあなたと歩むことは出来ないでしょう」


そんな彼に、伝言の続きを伝えます。届かないとしても。


「それでもどうか、力強く生きて下さい」


だって私は、頼まれたのだから。


「愚かな恋人からの、最後の願いです」


結局恋人と再会出来る日の来ないまま、死んでしまった彼から。



「あなたは呪いを解いて……幸せになって下さい」



今度こそ、私は伝言を全て伝え終える。

たとえリボーンさんに届かなかったとしても、私は伝えた。

意味のないことと、そう思われるだろうか。私の選んだ選択は。


死者からの伝言を、死者へ伝えるなどと。

しかも生きて下さいなどと。…幸せになって下さいなどと。


ただの私の自己満足なのだろうか。

だけど…たとえそうだとしても。

今、私の胸の中にいるリボーンさんは、とても安らかな顔をしているから。


きっと意味は、あるのだと思った。


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お疲れ様でした。リボーンさん。