Roman - 小さな村の物語 -
53ページ/全55ページ
少年は然程の時を待たずに先生を見つける。姿形は変わっていたが、少年には分かった。
だけど。なのに。
先生は、少年の憎む―――マフィアになっていた。黒服に身を包んでいた。
どうして―――
少年には分からない。何故先生が殺し屋になっているのかなんて。
きっと全てはマフィアのせいだ。
少年はそう思った。
マフィアが先生を変えたんだ。
それはある意味で正しかった。
マフィアが先生を殺したんだ。
けれど推測は段々と横へ斜めへと逸れて行く。
あそこにいるのは先生なんかじゃない。
そして結果的に、少年のマフィアに対する憎しみを増やしただけとなってしまった。
マフィアは絶対にゆるさない。
彼の恨みはマフィア全域に。最強の殺し屋と謳われるリボーンを雇っているボンゴレに。そしてアルコバレーノ全員に。
許さない。
許せない。
―――殺してやる。
次
前
戻