Roman - 小さな村の物語 -
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少年は然程の時を待たずに先生を見つける。姿形は変わっていたが、少年には分かった。


だけど。なのに。


先生は、少年の憎む―――マフィアになっていた。黒服に身を包んでいた。


どうして―――


少年には分からない。何故先生が殺し屋になっているのかなんて。


きっと全てはマフィアのせいだ。


少年はそう思った。


マフィアが先生を変えたんだ。


それはある意味で正しかった。


マフィアが先生を殺したんだ。


けれど推測は段々と横へ斜めへと逸れて行く。


あそこにいるのは先生なんかじゃない。


そして結果的に、少年のマフィアに対する憎しみを増やしただけとなってしまった。


マフィアは絶対にゆるさない。


彼の恨みはマフィア全域に。最強の殺し屋と謳われるリボーンを雇っているボンゴレに。そしてアルコバレーノ全員に。



許さない。


許せない。


―――殺してやる。