左右対称バカップル
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Q.彼のことをどう思ってますか?


「大好きです」

「嫌いだ」


真逆な答えを出してくれたのは華奢な彼と小さなあいつ。

オレとあいつの前ではいつもにこにこしている彼はいつもムッスリしているあいつが好きだと言う。

イメージカラーが黒のあいつはイメージカラーが白の彼を嫌いだと言う。


オレたちと同じあいつの生徒である彼はあいつのどこに惹かれたのだろうか。

オレたちを指導する立場のあいつは彼のどこが嫌いなのだろうか。


あいつのことになると途端に彼は饒舌になるけれど、あいつは彼の話題など自分から出したりしない。


いつも瀕死になって帰ってくる彼を出迎えるのは凄腕の医者。

いつも無傷で帰ってくるあいつを出迎えるのはボスであるオレ。


真逆な彼らはいつも擦れ違ってばかり。

なんだか見てられないほどに。


Q.いっそのこと、オレがもらっていいですか?


彼には冗談、あいつには半ば本気でそう訪ねたら。


「出来るものなら」


なんていつも素直で可愛い彼は余裕の返答を返し、


「絶対に駄目だ!」


なんていつもひねくれてるあいつは余裕なく切羽詰まった返答を返してきた。

何から何まで真逆な二人だけど、どうやら彼らがお互いを思っている感情のみはまったく同じものみたいです。


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一方通行の恋。擦れ違いの愛。咬み合う日は一体いつ訪れる?