死に別れ
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そして知らせを聞いてから数ヶ月。

オレはようやく仕事を終わらせて、イタリアの本拠地へと戻ってきた。

そこはオレが発つ前となんら変わらない、いつものボンゴレだった。


ただ、あの人がいなかったけど。

あの人がどこにも、いなかったけど。


「獄寺隼人、ただいま帰還しました」


10代目に報告する。10代目は心なしか前よりも痩せて、やつれているように感じられた。


「10代目…?大丈夫ですか?気分が優れないようでしたら休まれた方が…」

「ううん…大丈夫だよ。…ありがとう」


そう言うも、10代目はやはり顔色が悪くて。

こういうときに無理させてでも休ませていたのは誰だっけ、と思って思い出して、ああそうだったと納得した。


「…それでね、獄寺くん…言いにくいんだけど……」

「ええ。知ってます」


オレはせめて10代目がこれ以上何も心配しないようにと、笑顔になって。


「あとで挨拶してきます。…場所、教えて頂けますか?」