死に別れ
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10代目への報告も終わらせて、ついでに各部署にも帰還の報告をしに行く。

どこもかしこも変わらない。

唯一つを除いては。

あの人がいないことを除いては。


まるで遠回りをするように、あるいは何かを確認するように。オレは辺りを周ってく。

見知った顔。見慣れた顔。いつもと変わらない風景。

報告も全て終えたオレは、あの人の部屋にも行ってみた。

あの人の忘れ物が、静かに持ち主が帰ってくるのを待っていた。

それを持って、オレは一人ボンゴレから出て。歩いてく。

なだらかな街中を、ゆっくりと歩く。

街の喧騒も賑わいも、いつもと同じで。

やっぱり実感が湧かなかった。


あなたが死んだなんて、思えなかった。


けれど事実は変わらなく。

教えられた場所には、確かにあなたの墓がありました。