白雪姫
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「………リボーンさん?」
「獄寺…気が付いたのか?」
「はい……」
実は獄寺。幼少時代から姉と過ごし、姉の毒物手料理を食べされ続け、今ではすっかり姉の姿がトラウマになり姉を見ただけで仮死状態になってしまうのでした。
「ご心配を掛けてしまったようで…」
「まったくだ……」
リボーンはそう言いながらも、獄寺を抱きしめます。小さな身体で、精一杯。
「………リボーンさん」
「なんだ?」
「やっぱり…オレはここを出ます」
「何故だ?」
「あなた方に迷惑を掛けてしまいました」
「今回のことか?なら気にするな。むしろお前に出て行かれた方が迷惑になる」
「え…?」
リボーンは視線を上げて、獄寺を見ました。獄寺も目線を下げて、リボーンを見ました。二人の目線が合わさりました。そこに。
「オレがお前が好きなんだ獄寺。出て行くなんて言わないでくれ」
「リボーン、さん………」
獄寺は一瞬で頬を赤く染めて、目を見張って…けれど、
「お気持ちは嬉しいのですが…」
「オレは嫌いか?」
「嫌いと申しますか…」
それどころかむしろ初めてあったあの日から実は密かに一目惚れでした。などと言えるはずもなく。けれど突拍子な出来事に肯定することも出来ず言葉を捜して、
「そ、その、ほら、オレたち男じゃないですか。男同士での恋愛は…その、ほら、」
何とか自分はノーマルですということを宣言。ぶっちゃけリボーンに一目惚れしたときから好き同士なら性別も関係ないなと思ったけれどそれは今は伏せておく。
ただ、当の言われたリボーンは首を傾げるだけだった。
「…?男同士の恋愛はお前はだめなのか?」
「そ、そうですね」
「オレとお前のどっちがが男で、どっちがが女なら問題ないわけか?」
「そ、そうなります」
「……………」
何故か黙るリボーン。一体何を考えているのだろう?と、
「なら、やっぱり問題ねーな」
「へ…?」
「…クックック。なんだ獄寺、知らなかったのか?」
と発言したのは遠くで傍観していたコロネロ。というかアルコ全員集合してます、全員リボ獄の会話聞いてます、はい。
「リボーンは女だぜ、コラ」
「―――――は!?」
「本当だぞ?なんだ、言わなかったか?」
「言われてませんけど…えええ!?そ、そうなんですか!?」
「ああ本当だ。なんなら証拠でも見るか?」
と、リボーンはあっさりと服に手を掛ける。
「ちょ、だ、駄目ですよそんなことしたら!!!」
「何でだ?旦那になるお前に肌を見せることに何の抵抗もねーぞ?」
「旦那!?」
「どっちがが男で、どっちかが女なら問題なねーってさっき言ったよな?お前が男でオレが女だ。問題は解決したな」
「いえ、ですから、その…!!!」
「なんだ?それともやっぱり、オレが嫌いなのか?出て行くのも、オレが嫌いだからか?」
「それだけは決してなくですね!!むしろあなたがだいすきでですね!!」
「本当か?嬉しいな。ありがとうな」
「い、いえ…」
「じゃあ式でも挙げるか」
「もう!?早いですよ!?」
「そうか?まぁ式なんていつでも挙げれるか。これからもここにいてくれるんだろ?」
「それは…その、ご迷惑になってもいいのなら……」
「言ったろ。お前が出て行く方が迷惑になる。だから行かないでくれ」
「……………」
「これからもよろしくな、獄寺」
「…はい。よろしくお願いします、リボーンさん……」
というわけで、白雪姫と七人の小人は今日も仲良く森の奥で暮らしています。
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それはそれは仲睦ましく。とてもとても平和に。
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