死と無の間
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「―――獄寺」

「なんですか!具合が悪化しましたか!?」

「いや、治った」

「え、」


獄寺は走っていた勢いを踵で打ち消しながら停止する。荒げる息を落ち着かせながらリボーンを見る。


「な、治った?」

「ああ」


あっさりとそう言うリボーン。確かに汗は引いており、顔色もよくなっている。

獄寺は大きく息を吐いた。


「よかった…」

「…心配を掛けたな。悪い」

「いえ…リボーンさんが無事なら、オレはそれで」


安心したようにそう言い、笑う獄寺。


「じゃあ…どうしましょうか。10代目の所に戻って思い出してもらいに行きます?」

「………いや、それより前に考えたいことがある」

「そうですか…では……」

「暗くなってきたし、今日はホテルにでも泊まるか」

「リボーンさん、手持ちはあるんですか?」

「少しな。カードも使えなさそうだし、少し厳しいが…仕方あるまい」

「り、リボーンさん」


ホテルに向かおうとするリボーンに、獄寺はおずおずと声を掛ける。僅かに挙手もして。


「ん?」

「あ、あの。よければ…今日はオレの家に泊まりませんか?」

「お前の?」

「はい」

「………」


沈黙するリボーン。緊張する獄寺。


「…いいのか?」


きょとんとした顔を作って問い掛けてきたのはリボーンだ。獄寺は頷く。


「は、はい。もちろんです。大したおもてなしは出来ませんが…」

「……………」


再度沈黙するリボーン。更に緊張する獄寺。


「…じゃあ、甘えさせてもらうか。こんな姿でホテルに行っても家出と間違えられるかも知れないし、だからと言って野宿でもしようものなら警察に補導されるだろうしな」


おいたわしい、と思いつつ獄寺は手を差し出す。


「…ええ、甘えて下さい。リボーンさんにはいつもお世話になってますし、少しぐらい恩返ししないと」

「…そうか」

リボーンは小さな…獄寺にも聞こえないほどの声で礼を言って、獄寺の手を掴んだ。