死と無の間
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共に二人、獄寺の家へ。

リボーンはずっと、何かを考えこんでいた。

夜も深けるまで目を瞑り腕を組んで考え込み、やがて結論を出したのか不意に顔を上げて獄寺を見た。


「獄寺」

「は、はい」

「どうにも記憶が曖昧で上手く思い出せないんだが…」


言いながらリボーンは自身の胸を指で軽く叩く。その場所は夕方、ツナと会った時急に痛み出した場所で、

そして……


「…確かオレは、死んだんじゃなかったか?」


…獄寺を庇った時に、傷を負った場所。


「……………」


…そう。

確かにその通り。

リボーンはあの日、獄寺の代わりに傷を負い、その結果死亡した。

だからこそ獄寺はまたリボーンと会えて死ぬほど喜んだ。リボーンが死んだことの方を夢と思った。

だけど…それが夢でないとしたら。

今目の前にいるリボーンこそが、間違いであるとしたら。


「そ、それは…」


獄寺は言葉を紡げない。

肯定してしまったら、今目の前に確かにいるはずのリボーンが消えてしまうような気がして。

しかしリボーンにとって獄寺のその反応だけで十分だった。情報を更新させ更に状況を把握していく。


「…理屈は分からんが…誰かがオレを思い出すとオレは本来の姿に戻るようだな」

「本来の…姿」


既に死した身体の、その本来の姿。


「恐らくツナはもうオレを忘れただろう。多分…オレの痛みが引いたときに」


もしもツナがリボーンを完全に思い出していたのなら、その認識の通り、リボーンの身に起きたことの通り…リボーンは死んでいたのだろうか。

そう思い至り、獄寺はぞっとする。知らなかったとはいえツナにリボーンを思い出させようとしたのは自分だ。


「なら…一体どうすれば……」

「どうしたもこうしたもない。オレは本来ならもう死んでるんだ。なら、取るべき行動は一つだろ」


その、なんでもないことを言うような、当たり前のことを言うような口調に獄寺の身体が強張る。

自分は死ぬべきだと、リボーンは言っている。

二度死ぬ道を選ぼうとしているう。

そのためにまたあの苦しみを味わう羽目になるとしても仕方ないと、その声が言っている。


ああ、どうしてこんなことに。


あの日自分がもっとしっかりしていれば、自分がもっと強かったならば。

あるいは…死んだのが自分だったならば、こんなことには。


「こら」


様々なことを思う中、リボーンの声が獄寺の頭にぶつかる。

顔を上げ、リボーンを見る。リボーンは少々怒っているような顔をしていて、


「そういえばお前、オレがぶっ倒れて何も言えないのをいいことに好き勝手してたな」

「す、好き勝手?」

「オレに謝ったり、自分を責めたり」

「それは…」


した。確かにした。そういえばあの時、リボーンは力の入らぬ身体で、開けるのも辛そうな目でこちらを見ていた。


「丁度いい。あの時言いたかったんだけど言えなかったからな。今言ってやる」

「は、はい」


恨み言でも言われるのだろうかと緊張し、身を縮めこませる獄寺。

そんな獄寺にリボーンは言う。