その胸の中に
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「…あーもう!コラ瓜!大人しくしろッ!!」
「にょん!!」
自室に戻った獄寺は瓜を抱きしめる。小さな猫の身体がすっぽりと獄寺の胸元に納まっている。
…その小ささは、獄寺にある人物を思い出させて…
「あああ…やばい。やっぱり瓜を抱き締めた時の感覚と、リボーンさんをぎゅ―ってした時の感覚…似てるわ」
リボーンさん。と言いつつ獄寺は自分の炎で生み出した猫をむぎゅーとすりすりと抱き締める。ああこれぞ至福の時。
けれど身代わりを被っている瓜としてはたまったものではない。いつものように爪を立て、暴れて、鳴き喚く。
「にょーん!にょんにょん!!」
「だから暴れるなー!!」
獄寺は瓜に最愛のリボーンを重ね、瓜はリボーンのせいで獄寺に見てもらえず。リボーンは瓜がいるから獄寺に構ってもらえないと思っている。
嗚呼食い違いの擦れ違いの日々。そしてその思い違いは今日も軌道修正されないまま迷走を辿る。
(…今日こそあの猫鬼畜野郎に引導を下してくれる…)
「なー小僧。今日の修行はー?」
「イメトレでもしてろ。オレはちょっと出てくる」
(…また獄寺のところかなー…)
最初から獄寺を担当生徒にすればよかったのに。とか思いながら山本はイメトレを始めた。
まとめ。生徒の指導はちゃんとして下さい。先生。
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待ってろ猫野郎!!
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