それは懐かしい、そして初めての時間
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朝日が昇り始めた頃、ふと寝具を見てみればそこに獄寺がいた。

その姿はあまりにも自然で、さも「何年も前からこうしていました」とでも言わんばかりに、当たり前のように存在していて。

微かに寝息を立てている獄寺を何となく眺めていたら、朝日に照らされてか、獄寺は身じろぎをした。

目蓋を開き、身をゆっくりと起こし、寝惚け眼で辺りを見渡す。

やがて、その眼がオレを捉えた。

獄寺は寝惚け眼のままオレを見て、そして、やがて―――何故だか、微笑んだ。


「リボーンさん」


獄寺が、オレの名を言う。


「おはようございます」

「ああ」


素っ気ないオレの言葉にも獄寺は怯むことなく、その笑みを崩すこともなく、つまり全く気にせず、身支度を始めた。

あれは一体誰が用意したのだろう。少なくとも、オレは知らない。

オレは獄寺の支度が終わるのを待ってから、問い掛けた。


「腹は減っているか?」

「え―――ああ、はい」


なら、ひとまず食事にするかとオレは支度を始めた。