救い救われ
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やってきた街の、ある一角。

そこにあるのは先ほど話題に出た映画館。


「リボーンさん、見るとしたらどの映画が見たいですか?」

「ん?………そうだな…あれとか面白そうだな」


リボーンさんが指差したのは、どうやら犬が主役らしい映画。

…動物ものか…意外……いや、そうでもないか……?


「じゃあ、見ましょうか」

「そうか。行ってこい」


………。


会話が出来ていなかった。

いや、オレひとりで見に行ったら意味がないんですよリボーンさん…


「…リボーンさんも、よろしければどうですか?」

「オレ?どうやって中に入るってんだ」

「オレと一緒に行きましょう」

「だからオレは金が…」

「オレが出しますよ」


そう言って、オレは携帯を仕舞ってリボーンさんの手を引いて窓口まで歩み寄る。

子供二人分のチケットを買い、一枚を受付に出した。

流石にリボーンさんの見えない相手にもう一枚のチケットは出せず、こちらは財布に仕舞い込んだ。(それはそれで不審に見られた)

正規の契約は果たしてないが、金は払ったんだし事情もあるし、これで許してもらおう。というか、これはリボーンさんに納得してもらうための手続きであり別に誰かに許して欲しいわけではない。

そんなわけで、オレは映画館の中に入った。

リボーンさんと一緒に。


…………………。

……………。

………。