たとえ傷付き倒れても
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「…獄寺。なんでお前笑ってやがるんだ?気でも狂ったか?」
開け放たれていた窓から、ついさっき別れたばかりの。…リボーンさんがいて。
「どうしてって顔してるな。なに、資料ならたった今レオンに運ばせた。その方面での心配はいらねぇよ」
「いえ、でも…なんで」
「さっきまたなって言ったろ?」
確かに言いました。確かに聞きました。…けど。それは理由になっていないような気がします。
「…分かった分かった。さっきな。レオンを飛ばしながらツナに連絡したんだ。それでその時お前の状態を聞かれてな…」
まさかよもやリボーンさん…
「ああ、事細かに真実を伝えてやった。ツナの奴、電話の向こうで顔色変わるのが分かるほど切羽詰った声を出してな。何があっても生きて帰せだと」
オレは流れ出る血液の事も痺れて思うように動かない指の事も息をするのも苦しいほどの痛みを発する背中の事も忘れてしまって。
そんなオレをリボーンさんは面白そうに意地悪そうに笑いながら見ていて。
「悪いな獄寺。オレボンゴレの小間使いだから命令には逆らえねーんだ。諦めて生き恥を晒せ」
「ちょ…そんな、嫌ですよ!」
「嫌か?なら仕方ないな。確かお前はオレが嫌だと言うと腱を切るんだったか?」
「え?ええ…言いました、けど」
しかしそれは最早あまり意味のないものへと成り下がった。腱が切れようと死にはしない。アジトへと連れ帰らせられる。
「仕方ねぇ。じゃあお前の頭を撃ち抜くか」
「なんでそうなりますか!」
思わず大声で言ってしまうオレにも、リボーンさんは楽しそうに笑いながら。
「いくらオレでも死体は生き返らせることは出来ねぇからな。ツナにはオレが戻ったときには獄寺は既に肉塊になってたって言っておいてやる」
…え。それは少しばかり待って下さい。それって…
「そうだな。ツナはこれでもかってほど悔いるだろうな。生涯の傷だろうな。しかもここの敵も一掃しないといけねぇからそれの損害で二重のショックだろうな」
「な…っここでオレが頑張ればそのショックも一つで済みます。そんな非合理的なことは止めて下さい」
「腱を切るとかいってた奴が何言うか。それに、お前がここから生きて帰れればショックは更に軽くなる。ツナの精神安定剤の為に生きて帰れ」
む…
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