手錠
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「リボーンさん…少し離れて頂けますか?」

「まぁ、気にするな」


リボーンちゃんは獄寺に飛びつくのが気に入ったのか先程からぎゅっとしがみついている。獄寺は振り払おうとするが、リボーンちゃんは当然のように言うことを聞かない。


「はぁ…ただでさえ手錠で繋がれて恥ずかしいってのに…」

「そんなに恥ずかしいか?」

「恥ずかしいですよ!!」

「なに…してるの…?」


と、物陰から現れたのはクロームだ。クロームの目の前に手錠がキラリ。


「………」


クロームは無言のまま一歩下がった。


「待て。誤解するな。事故だ」

「事故…?」

「そうだ事故だ。そしてクローム。雲雀を知らないか?」


勢いのままに突っ切ろうとする獄寺。そのまま雲雀の行方を聞くがクロームは首を横に降る。


「知らない…」

「そうか…」


少し肩を落とす獄寺。見つからない雲雀。手首の手錠がやけに重く感じる。


「じゃあな…」

「またなークロームー」


去っていく二人。その間に繋がれた手錠を見ながら、クロームは、


「いいなぁ…あの間に入りたいなぁ……」


と一人呟いた。