永遠の刻
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オレは特別を作らない。

だからオレに近付くな。


そうやってオレに懐くな。オレを呼ぶな。

オレに頼るな。オレなんかに好意を持つな。


所詮成就なんてしないのだから。


どうしてそんな簡単なことが分からない。

どうして冷たくしても寄ってくる。


オレは呪われてんだぞ。


お前の気持ちには答えられないんだ。

例え両想いだったとしてもだ。


だからいい加減、オレから離れろ。

他の奴等と仲良くしてろ。オレ以外となら誰でもいい。


…オレはそう思っているのに。オレはそれを望んでいるのに。

どうしてお前は。


リボーンさん。


いい加減理解しろ、馬鹿。

そんな風に、オレを呼ぶな。

あまつさえ。


だいすきです。


そんなこと言うな。

オレはお前に答えられないんだから。


オレは、お前なんか大っ嫌いだ。


そんなオレの一言で傷付くな。

泣くな。

悲しむな。

こんなの、分かりきった結果だっただろう。


ごめんなさい…


…謝るな。

分かれ。


オレとお前は相容れない。

お前はオレとは長くいられない。

お前は、すぐに死ぬんだ。


…オレと違って。


ごめんなさい…


お前を振ったのは、オレの都合だ。

お前を愛したあと、死に別れたあとを思うとオレが辛いだけだと思ったからだ。


だから泣くな。謝るな。


お前はオレを責めていい。お前はオレを嫌っていいんだ。

なのに。


それでも、好きなんです。

ごめんなさい。


お前はそんなことを言う。

本当に馬鹿だ。

お前も…そんなお前に惚れ直すオレも。


―――そして結局、お前は死んだ。


ツナを庇って死んだ。予想の出来た、つまらない死だった。

お前が命を賭してまで守ったツナも死んだ。お前の姉も、お前と古い付き合いの奴等もみんな死んだ。


呪われたオレだけが、永遠の刻と言えるほど長い月日を生きている。


オレは特別を作らない。

オレは中立の立場に居続ける。


そこにしかオレの居場所はないのだから。


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それは所詮、呪いに全身を喰われるまでの人生。