そう 感じたから
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ねえリボーンさん。
お話しましょうよ。
……はあ。
…なんですかため息なんて吐いて。
なんでってお前…
いえ、いいんですよ。言ってみただけなんですから。
あのな……
リボーンさんはお忙しい方ですから、どうぞオレなんて放って置いてどこへなりとも行ってください。
…わかったよ。
…え?
話でもなんでもしてやる。
え?本当ですか?
なんだよ。
いえ、まさか受けてもらえるとは……
なんだと?
いえいえ、なんでもありません。お話ですね、お話……
ああ。何でも言ってみろ。
とはいえ、特に話題ないんですけどね。
お前はオレを馬鹿にしているのか?
いや、そうじゃなくて、本当に言ってみただけ…いえいえなんでもありません。なんでもありませんから。
…お前。
え?
どうしてオレを話し相手に選んだ?
どうしてって、そりゃ、まあ今オレの前を通りかかったからですが。
そうか。じゃあな。
待ってください行かないでください。嘘です冗談です。あなただからですよもちろん。
…そうかよ。
以前からリボーンさんともっとこう…交流を深めたいと思っていましたよ?オレは。
なんでまた。
だってオレ、リボーンさんのこと好きですし。
………。
…あ、待ってください。この好きというのは、別に変な意味ではなく……
わかっとるわ。
あ、そうですか。そうですよね。
当たり前だ。
………。
………。
…オレ。
ん?
オレ、リボーンさんのこと、本当に尊敬してたんですよ。
なんだ、過去形か?
もちろん、今でも。
そうか。
リボーンさんに近付きたいって、リボーンさんと並びたいって、ずっと思ってました。
そりゃ無理だな。
……そんなこと言わなくともいいじゃないですか。
そうか?
ええ。せっかく今いいシーンなのに。
そりゃ、悪かったな。
…ふふ。
どうした?
でも、あなたのそんな性格、オレ……
………。
…いえ、やめましょう。
いいのか?
いいんです。
そうか。
ええ。
じゃあ、オレが言うが。
…え?
オレは、お前のこと、好きだぞ。
………。
変な意味でな。
…はあ。
どうした?
もう、どうして、あなたは、そんな。
呆れたか?
…いえ。あなたらしいです。本当に。
そうか。
……嬉しいですよ。素直に。
そりゃよかった。
…ただ……今言われても…って感じですが。
そうだな。
…………………………。
…もう、限界か?
そうですね。
いくか?
ええ、もういきます。
そうか。なら、おやすみ。獄寺。
はい。…さよなら。リボーンさん。
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それはとある通路の一角の、赤い空間の物語。
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