マフィアな死神
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「アルコバレーノについて、聞きたい」


翌日、私は獄寺にそう問い掛けていた。彼と話したい気持ちと、アルコバレーノ…リボーンのことを知りたい気持ちがあったので丁度よかった。


「アルコバレーノ…って、リボーンさんのことか?」

「それもある。が、アルコバレーノそのものについても知りたい」


私がそう言うと、獄寺は顔をしかめた。


「オレもあまり詳しく知ってるわけじゃない」

「有名な話だと聞いたが?」違うのか?

「だから、大雑把には知ってる。だけど、詳しくは…オレは知らない」獄寺はどこか悔しそうだった。

「なら、誰だと詳しく知ってるんだ?」


私の声は決して小さくはなかったと思うが、獄寺には聞こえてなかったみたいだ。ギリギリと歯を鳴らしている。


「ヤマモトメェエエエエエエ…!!」


ヤマモトメェエエエエエエ、と言うのは人間の名前だろうか。とにかく獄寺はそいつが憎いように怨んでいるように呻いていた。私の知らないところで物語りは進んでいるらしい。


「まぁ、大雑把でもいいから教えてくれ」


詳しい事情を知ってるらしいヤマモトメェエエエエエエとやらに興味がないわけではなかったが、やっぱり私は獄寺と一緒にいたいらしい。


「ん……アルコバレーノってのは…呪いのことだよ」

「鈍い?」つい聞き返してしまった。リボーンは遅いのだろうか。


そう聞いたらはたかれた。「違う」と。


「そっちじゃねー!呪われる、の呪いだ!強いけど、呪われた存在がアルコバレーノ。世界に七人いる」

「リボーンが七人もいるのか?」世界に同じ顔は三人までじゃなかったのか。

「だから違うって、アルコバレーノの話だ。…リボーンさんは、その中の一人なんだ」

「なるほど」


私はもう一つ、質問することにした。実はこれがずっと気になって仕方ない。


「リボーンは、人間なのか?」

「―――――」


獄寺は一瞬止まった。が、私を見ると返答はすぐに来た。


「…当たり前じゃねぇか。なに言ってんだ?千葉」


まるで「空気は見えないかもしれないけど、あるよな?」ということを聞かれたかのような顔だった。


「…いや、リボーンが「オレは人間じゃない」と言ってきたんだ」

「は…っ」


獄寺が笑う。綺麗な顔だった。


「あの人も…悪戯が過ぎるよな。確かにあの人にそう言われたら信じるかも」


リボーン本人が言うなら人間ではないが、獄寺が言うなら人間らしい。さぁどっちなのだろう。

リボーンともう一度話をしようと彼を探したが、彼は抗争とやらに出掛けていないらしかった。

彼を探している途中ビアンキとまた会い、今度はケーキを貰った。素直に貰うのが礼儀だと思った私は礼を言って、食べた。

やっぱり味は感じなかったが、「美味かった」と言うと彼女はどこか悔しそうだった。獄寺が「やっぱり千葉すげぇ」と言ってくれた。どうだリボーン。私の二連勝だ。って、私は何と張り合ってるんだ。

そうして五日目が終わった。