飛び出セ☆ツナ父
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そういえば獄寺くんにはそういったものは食べさせてなかった。

そういうものよりも手料理の方がいいだろうって。最近オレの料理の腕も上がってきたしね。


「…その、いけませんでしたか…?」

「ううん、そんな事ないよ。確かにそれだけで三食を補おうってするなら優しく駄目だよって言うけどおやつや小腹に入れるぐらいなら全然構わない。もう獄寺くんは可愛いなぁー」


思わず獄寺くんをむぎゅー。

だって獄寺くん、おどおどとした表情プラスの上目遣いなんだもん。ああもう可愛いなぁ…

でも。


「で。なんでそれではい、あーんなんて状況に陥ったのかな?」

「クフフ。ワントーン下がった声がなんとも言えずドスが効いていますが。あれです。隼人くんが上手く食べられなくて…」




上手く?

カロリーメイトってそんなに食べるのに技術を要するようなものだっけ?


「あ…あの」


獄寺くんが挙手。


「その…袋から出したらですね。思った以上に大きくて…一口サイズに千切ろうかと思ったんですけど上手く出来なくて…」


まぁ確かにあれは少し獄寺くんの口には大きいかな。獄寺くんにはあまり大口開けて食べるのははしたないからしちゃ駄目だよって言ってあるし。

いや、それよりも…カロリーメイトを上手く千切れずぼろぼろ崩して困る獄寺くん。か…


「ちょ、萌えんなぁ…!」

「もえ?10代目、なんのお話ですか?」


おっといけない声に出してた。


「なんでもないよー。…で、見かねた骸が変わりに千切ってあげたわけか…」

「そういうことです。誤解が解けて何よりですよボンゴレ」

「うん。まぁだからってはい、あーんをしていいことにはならねぇけどな


オレと骸の視線がバチバチ弾け合い。一触即発…って所で。

きゅー…

うさぎ…?の鳴き声がすぐ近くから聞こえてきた。

ふと獄寺くんを見ると、顔を真っ赤にしてお腹を押さえてた。

うさぎじゃなくて獄寺くんのお腹だったか…。いや、それよりも。


「ご…」

「おっとこれは大変ですね。もうお昼時ですしご飯にしましょうか」


と言って骸はどこからともなく巨大なバスケットを取り出した。何処から出したんだろうあれ。ていうかレジャーシートも出てきたし。


「さぁ、隼人くんどうぞ。ボンゴレも是非に」

「…毒とか入ってないだろうね」

「クフフ、本人に確認を取る当たりかなり大物具合が覗けますがご心配なく。少し迷いましたけど今日は正攻法でいきますから」

こいつもこいつで大物だ。ていうか迷ったのかよ。


「美味しそうですね」

「うんまぁ…見た目は悪くはないかな…。でも獄寺くん。気分が悪くなったり身体が火照ってきたり変な気分になったりしたらすぐにオレに言うんだよ?分かった?」

「はい分かりました!」

「クフフ…僕全然信頼されてませんねぇ…」


まぁお弁当は普通に美味しかった。


「10代目!このおかず美味しいです!」

「ん?どれ?」

「これです!はい10代目、あーんして下さいっ」

「あーん…。うん。美味しい。あ、獄寺くんにもあげるね。はい、あーん」


あ。これいつも通りの光景ね。


「クフフ…羨ましいですね。僕もその位置代わってほしいですよボンゴレ」

「ん?骸が代わるか?」


とは獄寺くん。

…獄寺くん…?


「え?宜しいんですか?」

「ああ、いいぞ!!」


いやそんな獄寺くん。そんないい笑顔でポジを代えないで!頼むから!!

そんなオレの願いも虚しく獄寺くんは骸に席を譲って。


「よし、じゃあこのおかずを10代目に食べさせる役は骸に頼んだ!!」

「って、へ?」

「ん?」


………そっちか。そう取ったか…流石だよ。獄寺くん。

獄寺くんに促されるままにオレの隣に座る骸。何処となく笑みが引きついている。


「………えーと、ボンゴレ…はい、あー…」

「って待たんかい!この構図は誰も求めてないから!オレには獄寺くんだけだから!!」

「クフフ…確かに僕だってターゲットはあくまで隼人くん。…まぁ別の意味でボンゴレもターゲットなんですけど今はなんの関係もありません」


オレも狙われてんのかよ。マジかよ。


「ていうか嫌ならやめろよ…ていうかやめろよ」

「僕だってしたくはないのですが……隼人くんのあの顔を見てると…」

「え?」