飛び出セ☆ツナ父
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「………見た?」
「それはそれは良い物を」
「あはは。選ばせてあげるよ。今すぐ忘れるか死ぬかをね!」
「クフフ…どちらもお断りですねボンゴレ…!今日一日でかなり隼人くんとも親密な関係になれましたし!」
「無駄な夢を見るのは勝手だけどね!でも獄寺くんは誰にも渡さないんだよ!どれだけ骸が足掻いても獄寺くんはオレのだ!!」
「そうやって自分のエゴを隼人くんに押し付けるのはいい加減やめたらどうです?隼人くんが可哀想じゃないですか」
「獄寺くんは…それでもいいって言ってくれたよ」
「それはいつの話です?人の心も気持ちも移れゆくもの…いつまでも過去の言葉で縛ってしまってはますます隼人くんが可哀想だ」
「く…!」
不味い、いつになくオレ押されてる…!
このままだと…押し負けるか…!?
「10代目!獄寺隼人、ただいま帰還致しました!!」
「うゎぁ!?」
いきなりの声に思わず声が上がった。
「え!?あ、す、すいません10代目!まさかそこまで驚くとは思わなくて…!」
「い、いやいいんだよ獄寺くん…ていうか、やけに早かったね。って…」
「はい、10代目と骸をいつまでもお待たせするわけにはいきませんから!ぱぱっと済ませてきました!!」
「そんなことよりー!よりにもよってその格好で来ますかー!!」
「えぇ!?何かいけませんでしたか!?」
「おやおや…隼人くんのパジャマ姿を拝めるとは僕も大層運がいい…」
そう。骸の言うとおりに獄寺くんはパジャマ姿で戻ってきた。オレたちのためにタオルを持ってきて。
ああ…そうか。お風呂→パジャマに着替えるだよね…獄寺くんの思考回路でいくとそうなるか…あああ…
「ささ。10代目も早く風呂場へ!そのままだと風邪を引いてしまいます!」
「うん…」
………って。ちょっと待った。
その間。骸と獄寺くんは二人っきり…?
「………獄寺くん。オレと一緒にも一回お風呂行かない?」
「そこの馬鹿親父。なにを考えておりますか」
「そんな、お客人をひとり残してオレまで風呂へと戻るわけには参りません!…あ、そうだ!10代目と骸が一緒に入ったら如何ですか!?」
何言っちゃってるかなこの子はーーー!!!
それお断りだよ!だからそういう描写は誰も求めてないって!だからオレには獄寺くんだけなんだってーーー!!!
「クフフ…流石の僕もそれはちょっと…」
「でも…このままだと10代目も骸も風邪を引いちゃうし…」
ああ待って獄寺くん!そんなに哀しそうに俯かないでー!なんか悪いことしている気分になるから!!
でも…骸と獄寺くんとを同じ部屋に置いておくわけにはいかない。オレと獄寺くんが風呂に入っている間、骸が獄寺くんの私物を漁らないとも限らない…
「失礼な。そんなことしませんよ」
無視。ああ…どうしよう…。もう骸追い出そうかなー…
「あ、10代目。今お天気お姉さんが今突然の豪雨の為自宅待機警報が出てるから外に一歩も出ちゃ駄目だそうです」
なんてこと言ってくれるんだお天気お姉さん…!何も今言わなくてもいいじゃん!馬鹿!!
「うー…うー…うー…!」
オレの出した決断は…
「う…」
「あ、10代目!骸が目を覚ましました!!」
「そうか残念…別に目を覚まさなくともオレはよかったのに」
「あれ…?何故か頭が無駄に痛いんですけど。あと雨が降ってきてボンゴレ宅に着いてからの記憶が曖昧なんですけど」
そりゃあいい。朗報だ。
「ごめんな骸ー。ちょっと手が滑って自室にあった木刀に手がいって思いっきり骸のどたま殴っちゃった」
「うわぁー、滅茶苦茶嘘くさいですねー」
「ごめんなー。ほら、オレ運動音痴だからさ☆」
「そこまでいくと運動音痴はあまり関係がないかと思いますけどね」
「それより骸…今日はもう外に出たらいけないらしいぞ。自宅に連絡したらどうだ?」
「それよりですか。人一人気絶させてそれよりですか。隼人くんもボンゴレの娘ですねぇ…って今日はもう出れない?」
「そ。雨音がまだ聞こえるでしょ?朝には出れるようになるだろうけど今晩は駄目だって」
「おやおや。…ということは?」
この野郎…勝ち誇ったように聞いてきやがって…
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