特賞商品
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「獄寺。ベッドに横になれ」
「リボーンさん…」
オレがそう言うも、獄寺は困ったように立ち竦むだけだ。
全く、こいつはまだ自分の立場が分かってないらしい。
事の始まりはつい先日。
ボンゴレで行われたビンゴ大会に"獄寺一日自由権"が特賞として掲げられたのが発端だった。
何故獄寺の一日自由権が商品として扱われているのかはともかく、他の輩に渡すわけにはいかない。
獄寺は男女問わず人気が高い。
自分が常に傍に付いてるからいいものの、そうしてなければどうなっているのか考えるのも恐ろしい。
獄寺に悪い虫が付いていないのはオレという虫除けがあるからだ。
無論、一日自由権などと論外だ。
よってオレは持てる力全てを引き出し、無事獄寺一日権をゲットすることが出来たのだった。
内容は次のオフの日に獄寺を一日自由に扱っても良いというもの。
完全に人権を無視した内容だったが扱うのがオレであるなら何の問題もあるまい。
そして今に至る。
「獄寺。オレの言うことが聞けないのか?」
「いえ…その、」
困惑する獄寺もまた可愛い。
「まあいい。お前が一人で出来ないというのならオレが運んでやろう」
言って、獄寺を抱き上げる。
「リボーンさん!?」
ふむ…姫抱っこ。いつかされるのが夢だがする方も割と悪くはない。
そしてオレは獄寺をベッドに横たわさせる。ああ、ちなみにここはオレの部屋だ。
そしてオレは獄寺に覆い被さった。
ぎゅっと抱きしめ、額に額を重ねる。
獄寺の体温。獄寺の匂いがオレを包む。
ああ、幸せだ。
「リボーンさん…止めて下さい……」
「お前、オレに命令できる立場か?」
「いえ…」
言いながらも、獄寺の手はオレを退けようとしてくる。
逆にオレはその獄寺の指と指を絡ませ、頬に頬ずりする。
「リボーンさん…女性がそんな、肌を重ねては……」
「好きな男相手なら問題ない」
「リボーンさん…オレは……」
「一線超える気はないから安心しろ」
流石に無理やりするのはアンフェアだ。
いつか獄寺をオレなしではいられない、骨抜きにしてからそういうことを考えればいい。
今は、これだけで。
獄寺の首筋に顔を埋める。
煙草と、火薬と、コロンの匂い。
獄寺の匂いに包まれる。
それだけで、もう満足だ。
「リボーンさん…もう……」
「まだ一日は始まったばかりだぞ」
逃げない(というか逃げれない)獄寺もまた新鮮だ。
見れば、獄寺の顔は真っ赤になっていて。
その様子が可愛らしくて、愛らしくて。
オレは思わず獄寺に口付けをしていたのだった。
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おっと、これ以上はいかんいかん。自制自制。
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