年の差12歳カップル
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どうやら獄寺くんとリボーンは付き合っているらしい。

まさかの大穴だ。

リボーンはあんなに…獄寺くんに冷たいというか、相手にしてなかったというのに。

獄寺くんもリボーンに無下に扱われてばかりの日々だったというのに。

なにがどうなってくっついたのか。


…つーか、油断していた…


他の…某野球部のエースとか某風紀委員長とか某医者とか某クフフパイナップルとかに牽制をかけている場合じゃなかった。

一番の敵は…まさかこんなにも身近にいたとは!!

…はぁ、いや、過ぎたことを悔やんでも仕方ない。

見る限り…獄寺くんは幸せそうだ。それはそれでめでたいことじゃないか。

彼の幸福を祝おうじゃないか。そうだそうしよう。

自分を殺して相手に想い人を譲るなんてどれだけ達観した中学生なんだ。と我ながら思うけど涙を呑むのはオレの特技だ。

そもそもダメツナのオレが獄寺くんを幸せに…いや、10代目という肩書きがなければ見向きもされなかっただろうしね。

そう。所詮オレなんて獄寺くんの隣に立つには身の程知らずにも程があるって言うか、仮に付き合うことが出来たとしても…な。

付き合っているうちに獄寺くんがオレを嫌いにならない保障はないし、いや、獄寺くんの盲目が正されればすぐにオレなんて…!


「…ばれないうちに死のうかな…」


「10代目!何事ですか!?」


ぼんやりと包丁を握っていた所を獄寺くんに見られた。

どうやらオレが中々来ないから心配になったらしい。


「なんでもないよ?」

「そうですか…?しかしその包丁…」


「なんでもないよ?」


「…そうですよね!」


笑いながら二回同じ事を言うと獄寺くんは折れてくれた。

オレは包丁を仕舞って代わりにジュースを用意して獄寺くんと部屋まで戻った。