突入 その裏側
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「うう、でも…リボーンさんがオレを呼ぶときって…基本10代目を鍛える時だけなんだよな…オレなんて…態の良い道具程度にしか認識されてないのかな…」
「隼人…」
「いや、当たり前か…リボーンさんは10代目を立派なボンゴレの跡継ぎにするためだけに日本に来たのであって…だからオレは…二人の仲を促進させるだけの道具で…」
「隼人、しっかりして!そんな、自虐しないで隼人!!目が虚ろよ!?」
私は隼人の肩に置いていた手をがっくんがっくん揺らして隼人を正気に戻させる。
「ううう、姉貴…」
「大丈夫よ!リボーンはツナには生徒以外の感情は持ってない!!それだけは断言出来る!!」
「本当…?」
「そうよ!」
それにしてもさっきから隼人がやけにしおらしいわ。どうやらそれだけダメージを負っているみたいね…
「………そう、だよな」
「隼人?」
「リボーンさんが本当に好きなのは…山本だもんな」
「………!!」
私は言葉を失った。他に何も出来なかった。
私が何も話せないでいると、隼人から言葉を出してくる。…まるで、恨み言のように。
「…リボーンさん…いつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつも山本の傍にいて…更には山本の肩なんかに乗っかって…!!」
「隼人…落ち着いて」
「それにあの時…授業参観のときの話だ!リボ山って何だよ!!!」
「いいから落ち着いて隼人!あらゆる意味でそんな昔の話を今更持ち出してどうするの!?」
「つーかなんでオレに爆弾投げるんですかリボーンさん!酷くないですか!?なあどう思うよ姉貴!!!」
「落ち着きなさいって言ってんでしょ!!」
パァン!と私は思わず隼人の頬をはたいていた。
隼人は暫く茫然としていたけど…やがて落ち着いたのか、私に謝ってきた。
「姉貴…ごめん」
「いいのよ隼人…今は過去の話より、現在の方に目を向けましょう…って言っても、ここは貴方から見れば10年後の話だから少しおかしいけどね」
「…そうだな。今…現代、か………」
隼人は暫し考えて…また泣き出した。
「なんでリボーンさん山本なんかの相手やってんですか!!!」
しまった地雷を踏んでしまったわ。
「ここは…ここはオレだろ!?力不足のオレをリボーンさんがびしばし鍛えて!衝突とかもあったりして!でも最後は二人大ゴマでキメ!だろ!?」
「姉弟で修行っていうのも面白いでしょ?」
「姉貴なんて帰って来なければよかったのに!!」
それは少し酷いんじゃないかしら。
「ひっく…リボーン、さん…」
「隼人…」
それからも隼人の相談…というか、愚痴はこのボンゴレ隠れアジトに敵襲があるまで延々続いて。
みんなが敵地に行ったところで、やっと隼人から解放されたわ。…はぁ、疲れた…
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