突入 その裏側
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「リボーン」
「ん?ビアンキか…」
アジトに戻るとリボーンとジャンニーニが資料とパソコンだらけの机の上で格闘していた。
私も雲雀恭弥の手助けをしないといけないんだけど、それより前に彼に言いたいことがあった。
「早く素早く手早く隼人に現実を叩き付けて頂戴。貴方が隼人に冷たかったり稀に褒めたりするからあの子は毎日不安定よ」
「………オレの勝手だろ」
「あの子は私の弟よ。弟の心が不安定なのは、見過ごせない。それに…貴方から自分で言うっていうから、私は黙っているのに」
「………」
「言いたいのはそれだけ。じゃあ私行くから」
取り残された室内。黙り込むリボーン。恐る恐るという風にジャンニーニがリボーンに話し掛ける。
「あの、リボーンさん」
「なんだ」
「野暮な話をしますが…スモーキン・ボム様のこと、リボーンさんは嫌いなんですか?」
「いいや」
「…では、生徒の一人だと思ってらっしゃる?」
「今のところな」
「…今のところ?」
怪訝顔に鸚鵡返ししてくるジャンニーニにリボーンは笑って答える。
「…ビアンキにあれだけ言われたら仕方ないな…そろそろ告白せねばならんかも知れん」
「告白!?」
「どうした。素っ頓狂な声を出して」
しかしジャンニーニが驚くのも無理はない。
なんて言ったってリボーンはこれまで散々獄寺に冷たく素っ気無く当たってきたのだ。
それが…どこをどう転がって告白?
「…嫌いだと?」
「だからなんでそうなる………その、逆のだ」
「はぁ!?」
「そんなに驚くことか?」
そりゃあもう、とジャンニーニは頷く。
あれだけ冷たいのに。あれだけ相手にしてないのに。
「ああ、あれはオレの照れ隠しだ」
「分かり辛!!」
しかし…そうか、リボーンは…獄寺が好きだったのか。今の今まで全然気付かなかった。
「ずっとシミュレーションはしてきたからな。そろそろ…練習の成果を出す頃か」
「練習…?」
「ああ。山本っているだろ。あのオレの獄寺にいつも近付いてくる奴。そいつを獄寺だと思って今まで練習してきた」
「山本様をスモーキン・ボム様に!?」
「山本を獄寺から引き剥がせて一石二鳥だろ?」
その行動が愛する獄寺の気持ちを踏み躙っていたのだが、罪作りなリボーンはまったく気付いていない。
「この間も…オレの正体を明かすのと同時に告白しようと思って山本で練習、その後丸三日間特訓していた」
「あれは影でそんなことがあったんですか!?」
「あったんだ」
「はぁ…それはまた」
「獄寺はオレのだから取るなよ」
「…取りませんよ」
「…じゃあ獄寺が戦いから戻ってきたら…いよいよ告白か…やべ。緊張してきた」
「最強のヒットマンも形無しの狼狽えようですね」
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