告げぬ想い
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それは、ある仕事帰りの夜でした。

オレは一人で歩いていました。

ふと、向こう側からリボーンさんが歩いてきました。

リボーンさんはオレに気付いてないようでした。

…ああ、またいつもの癖でつい仕事の時のように気配を消しながら歩いていたようです。

オレは自分に呆れながら、リボーンさんに声を掛けようとして。


―――。


気付きました。

リボーンさんの死角。そこから黒服の男が銃口をリボーンさんに向けていることに。

オレは今気付きました。リボーンさんは気付いているのでしょうか。

気付いてなかったとして。今から声を掛けても間に合わない。

今から動くとして。オレが銃を取り出す間にリボーンさんが撃たれてしまう。

残された時間はあと僅か。

オレは息も吐かず走って。


「失礼します」


リボーンさんを強く押して。無理やり銃弾の線からずらしました。

代わりにオレが線上に。

銃弾は既に放たれて。

凶弾がオレを貫いた。