世界の作り方
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いつだって思い出せる。
どこだって思い出せる。
あなたのことならば。
あなたはいつでもオレの傍にいてくれて。
あなたはなんでもオレの為にしてくれて。
それは面倒見として。
それは教育者として。
それは指導者として。
それは護衛として。
それは親代わりとして。
―――それは仕事として。
そうであったのだと、オレが気付いたのはあなたといて随分と経ってから。
だってあなたはオレが物心付く前から、もしかしたらオレが母の腹の中にいた時からオレの傍にいてくれたのだから。
あなたがオレの視界の中にいるのが、あなたがオレの世界の中にいるのが、オレにとっては当たり前で、自然で、当然でした。
だからごく最近。あなたがいつか、オレの前から消えてしまうかも知れない。いなくなってしまうかも知れないのだと知ったときは、冗談ではなく本気で戦慄しました。
考えられない。信じられない。あなたのいない世界なんて。
あなたがいて、オレがいる。それで世界は完成するのに。
オレの世界を壊させるわけにはいかない。
それがたとえあなたであったとしても。
だから、オレは。
あなたをオレに、惚れさせます。
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