冷たい貴方
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それからと言うもの、獄寺はリボーンがアジトに戻ってくるなりに彼の所へと赴いていった。
リボーンは案の定というか血塗れで。…というか、時が過ぎるたびに重傷となっていって。
周りも一時は心配していたが、リボーンの冷たい突き放しように去っていった。
なによりも、獄寺がリボーンから離れようとはしなかったから。
ひとまずリボーンがアジト内にいるときは彼の面倒は獄寺に任せて。別の後始末を周りがするということで落ち着いた。
…それでもリボーンは危険度の高い任務に出ることを止めはしなかったが。
何故だと問うても彼の返答は「この方が効率がいいからだ」となんともシンプルなもので。
周りはリボーンに少し任務に出るのを控えた方がいいと進言したが、彼は聞き入れなかった。
このとき、リボーンは珍しく獄寺に意見を聞いた。「お前はどう思う?」と。
獄寺はまるで苦汁を飲んでいるかの表情で…こう告げた。
「オレは…リボーンさんが望むことをすれば、宜しいかと思います」
それは、リボーンが今まで通り任務に出るのを肯定する意見で。
周りは少なからず驚いた。獄寺ならばリボーンに嫌われてでも休ませる意見を出すとばかり思っていたから。
「オレが怪我をして帰ってくれば、お前はオレを手当て出来るからな」
リボーンがからかうように言ってくる。それに獄寺は相変わらず辛そうな表情で俯くだけだった。
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