世界の中心
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パーリィの終わりと同時に世界は終わる。客人は屋敷から出て行き、中には主人である女と、数人の使用人だけが残った。
鼻歌を歌いながら女は自室に戻るために階段を上がる。
踊り場に差し掛かったところで、ふと見上げると男が数人、振ってきた。
女は目を丸くし、とりあえず数歩足を引いた。女がいたところに男が落ちてきた。
「獄寺。危ないぞ」
男の次に声が振ってきた。獄寺と呼ばれた女が再度見上げると階段の上に黒いスーツを着た男が立っていた。
「リボーンさん」
男の名を呼びながら、獄寺は階段を上がる。階段の下、倒れて呻く男には目もくれない。
「あの方たちは?」
「お前の部屋に忍び込もうとしていた馬鹿どもだ」
「まあ」
獄寺は男たちに目をやった。
「そんなことしたらどうなるかも分からないほどの馬鹿がオレのパーリィに?」
リボーンがため息を吐く。獄寺はきょとん、としている。リボーンは獄寺を指差し、言った。
「お前が、ただでさえ馬鹿な男たちを、救いようがないほど馬鹿にさせる、阿呆みたいな格好をしてるんだろうが!」
「セクシーでしょ?」
獄寺は身をくねらせた。普通の男が見たら思わず凝視してしまいそうな色っぽさだが、リボーンは呆れるだけだ。
「子供が背伸びするんじゃない」
「オレ、もう24なんですけど」
「まだまだ子供だ」
「オレ、結構発育良いって言われてるんですけど。身長も平均以上なんですけど」
「それがどうした」
今度は獄寺はため息を吐いた。
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